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「テロの背後に外国諜報機関」発言の裏にあるトルコ政府の不満

2017/1/5 デイリー・ニュース・コメント

(1) 「テロの背後に外国諜報機関」発言の裏にあるトルコ政府の不満



【ニュース概要】

トルコのクルトゥルムシュ副首相は1月4日、先のナイトクラブでのテロについて、「外国の情報機関の関与」があった可能性があると発言。「私は攻撃者がそのような支援なしにこのテロを実行することは不可能だったと思っている。シークレット・サービスの手法のようにも思える。こういった点まで含めてあらゆる可能性を調べる」、同副首相はHurriyet Dailyとのインタビューでこう述べた(1/5付『Hürriyet Daily News』)。

クルトゥルムシュ副首相は、どこの「外国」かについては言及していないが、1月2日には、「テロ組織の背後にいて、武器を供与している者らが、1週間テロ組織の後ろ盾をやめれば、世界中のテロ組織全ては壊滅する。DAESH(ISIL)もこの中に含まれるし、クルド労働者党(PKK)も含まれる」と発言していた(1/3付『TRT(トルコ・ラジオ・テレビ協会)』。

【コメント】

トルコでは、昨年のクーデター未遂事件以来、国内での様々な問題の背後に、西側、とりわけ米国の陰謀があったとする意見が、エルドアン大統領を含めて同政権高官から出ている。

とりわけ、エルドアン政権がロシアとの関係改善に動き出してからは、エルドアン政権を困らせよう、トルコ・ロシア関係を悪化させようと考える西側諜報機関が暗躍している、との陰謀論が飛び交っている。

トルコと米国の関係は現在非常に悪くなっているが、今回の事件を受けて、証拠のあるなしにかかわらず、エルドアン派トルコ人の間で反米感情はさらに高まり、両国関係はさらに悪化しそうである。

トルコはシリアのアル・バブ奪還作戦で現在ISと激しく戦っているが、このトルコの軍事作戦を米軍が支援しないことから、トルコ政府の米国に対する不満は増大している。こうしたシリアにおける対IS作戦の反動としてトルコ国内で今回のようなテロが起きていると彼らが考えているため、ISのテロが起きれば米国に対する反発も強まるという構図になっている。

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