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拡大する“統治の空白”と武装・犯罪組織(上)

2021/11/15 グローバルリスク・インテリジェンス

■ 拡大する“統治の空白”と武装・犯罪組織(上)

2021年に世界各地で発生した治安事象を振り返ると、新型コロナウイルスによるパンデミックが各国の経済状況を悪化させ、コロナ対策をめぐる政府に対する不信の増大、違法経済の肥大化や犯罪組織、武装反乱勢力の拡大や民族・部族の分断の加速など、社会情勢に様々な負の影響を与え、各国がそれまでに抱えていた問題を一層悪化させていることが分かる。

パンデミックが与えたこの負の影響は、残念ながら2022年も続きそうである。しかも、それが年々破壊力を増す自然災害など一国家の対応能力を超えた事象の頻発とも相俟って、世界の多くの国々の統治能力を削ぎ、事実上の“統治の空白地帯”を生んでいる。

本稿では、今年各地で現れた事象の分析を通じて、問題の背後に横たわる深刻な統治の危機の実態を浮き彫りにし、2022年にさらに悪化すると思われる治安上のリスクについて、2回に分けて考察していきたい。

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© Izuru Sugawara